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2023/12/20 19:21

 累計1万セットを売り上げた伝説のDVDソフト「俺がハマーだ! コンプリートDVD-BOX」「新・俺がハマーだ! コンプリートDVD-BOX」において、渾身のブックレット制作を手掛けた翻訳家・映画評論家の品川四郎さんに、蔵出し写真、蔵出しエピソードを綴っていただきました!
(全3回でお届けの予定──今回は第1回!)

■吹替台本作家・平田勝茂さん
 お話をうかがうために品川がご自宅まで押しかけたのは2003年の12月ですから、今年でちょうど20年になります。歳を取るのも当然ですね。平田さんもすでに70歳を越えられているはずですが、後進の育成など、お元気でらっしゃるようで何よりです。「ぼくはセリフ書きですから」平田さんがそうおっしゃられていたのが、品川にはひどく印象的でした。その意図するところと思いのたけ、そしてその結果は、例えば、いまや神格化すらされている玄田哲章版『コマンドー』の仕上がり具合ひとつ取っても明らかでしょう。「『俺ハマ』は石川雄一郎の脚色が入ってる上に、羽佐間道夫のアドリブで無茶苦茶になってるから、平田節としてのレベルは低いんじゃないか?」最近ではこんなことを平気で口走る小賢しいファンもいるようですが、どうしてどうして、脱獄囚ジョン・コーガンのテレビ乗っ取り果たし状、ハマーへの絶叫宣戦布告などはまさしく平田節の発露ではあるまいか。それに何より「練り上げた台本ですから、現場ではできるだけアドリブ等は抑制して、台本寄りに収録しました」という演出・小山悟氏のありがたい証言を読んでおらぬのか(最初のブックレット参照)。もう一つ言えば、「アドリブ炸裂こそ吹替の華」などと思っていたら、それこそとんだ都市伝説、ほとんどの声優の皆さん、台本をきちんと声にすることを仕事として頑張っておられます。そこんとこお忘れなく。破邪顕正、妄信退散、理屈じゃないんです。

【写真01】

 「俺ハマ」のブックレットではモノクロでしか掲載できなかった平田さんの色彩フルショット。復刻台本を手にお澄ましポーズです。カラーとモノクロの交互のページの作りだったので仕方ないのですが、いま思えば、もっと「俺ハマ」的なワル知恵を振り絞って、演出の小山さんと同じようにカラーで掲載されるように頑張るべきでした。はい。

【写真02】
 平田さんの仕事部屋にお邪魔してまず目を見張ったのは、手掛けた作品の台本の山。たしか、部屋の壁二面は埋め尽くしていたはずです……って、それはちょっと都合のよすぎるお調子で、実は本当に目を奪われたのはプラモデルの展示ケース。そう、超多忙な平田さんの趣味は模型造り。しかも、細かいパーツの多い艦船模型! いったいどこにそんな余暇の時間があったのか、ウォーターライン・シリーズから大型のものまで、帝国海軍から現代空母まで多種多様。どんな顔して作ってたんでしょうねぇ、平田さん!

【写真03】

 それはたぶん、こんなお顔でしょう。この機を逃してはならずと品川がカメラを向けると、ホントにうれしそうに写真に納まってくださいました。これこそ、オトコが心底から好きなものを語る時の笑顔です。艦船プラモデル一本鎗のように思われますが、ふと見ると、後ろの戸棚の上にはタミヤのドラゴン・ワゴン(戦車運搬車)が。あれ、1/35サイズですから、完成するとデカいんですよね。なんたって18輪の重輸送重機。輸送車輛マニアの品川も大好きです。20年も経ちましたから、さすがにもう出来上がってますよね?

【写真04】

 そういうわけで、演出・小山悟さんもフルショット。得も言われぬユーモアが全身から漂う不思議な方でした。でも品川は、収録場所のKSS応接室に、あの幻の「ハマー・コレクション」全65巻がそろって置いてあるのにばかり、気が散ってました。失敬な奴ですね。いや、別に「ハマー」に引っかけたわけではないんです。ホントの話なんです。

※「その2」は12月27日(水)更新予定です。

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